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たまりの特徴と製法

【日本の醤油】

日本の醤油には長い歴史があり、各地で独自の風味や味わいを持つ醤油が開発されてきた。日本農林規格(JAS)では、製造方法、原料、特徴などから、「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ」「しろ」の5種類に分類されている。そして醤油は「しようゆ」と表記されている。

濃口醤油(こいくちしょうゆ)・・・出荷数量83.4%
関東地方で発達した最も一般的な醤油。醤油の生産高の約9割はこれを占め、通常、単に「醤油」というとこれを指す。様々な料理の味付けに使われる。食堂にある醤油は、まずこれと思ってよい。原料の大豆と小麦の比率は半々程度である。生産地として、千葉県の野田市や銚子市、香川県の小豆島がある。

薄口醤油醤油(うすくちしょうゆ)・・・出荷数量13.4%
1666年に龍野の円尾孫右衛門長徳が考案したとされる。濃口よりも原料の麦を浅く炒り、酒を加えるのが特徴。元々は龍野でのみ消費されていたが、18世紀半ばに京都への出荷が本格化。以降、関西地方で多用されるようになった。濃口に比べると色や香りは薄いが、塩分濃度は高い。食材の色や風味を生かしやすいため、汁物、煮物、うどんつゆなどに好んで使われる。仕込み時に、麹の量を少なく、仕込み塩水の比率を高くする。圧搾前に甘酒を加えることもある。淡口は色が最重要視されることから、酸化して黒みが出たものは価値が低い。そのため、こいくちよりも賞味期限が短くなる。

溜醤油(たまりしょうゆ)・・・出荷数量1.5%
風味、色ともに濃厚なもの。刺身につけたり、照焼きのタレなどに向く。原料は大豆が中心で、小麦は使わないか使っても少量である。東海3県・九州地方が主な生産地である。

さいしこみ(再仕込み) ・・・出荷数量0.9%
甘露醤油とも呼ばれる、風味、色ともに濃厚なもの。天明年間に周防国の柳井で考案されたと伝えられる。刺身、寿司などに向く。仕込工程にて、塩水のかわりに生醤油や醤油を用いて造る。一般的には淡口醤油の諸味が用いられる。

白醤油(しろしょうゆ)・・・出荷数量0.8%
色は薄く、醤油というよりナンプラーのような色をしている。味は塩分が強く、少し甘みを含む。煮物に向く。原料は大豆が少なく、小麦が中心である。色の淡さが特に重要なため、淡口よりさらに賞味期限が短くなる。

【たまりとは~醤油との違い】

たまりは主に東海地方で作られています。
豆味噌文化のある東海地区では、原料を同じとする「たまり醤油」文化があります。
特に武豊町では、昭和初期には町内に50軒も醤油蔵があり、全国的にも非常に有名な生産地です。

【味の特徴】

大豆100%の丸又のたまり

濃口醤油には、大豆と小麦を半分ずつ主原料として使用します。
一方、たまり醤油は、ほとんどが大豆で、少量の小麦を使用するところもあります。
大豆に含まれるタンパク質は、分解され旨味の元となります。濃口醤油よりも大豆の量が多いたまり醤油は、旨味成分が非常に高いのが特徴です。

【作り方の特徴】

  1. 特徴の1つに、蒸しあがった大豆を潰し、玉状(味噌玉)にしたもので麹を作ります。 これは、蒸しあがった大豆は細菌に侵されやすいので、表面積を少なくし、細菌汚染を減らす効果と、味噌玉を作り玉内部に乳酸を増殖させるねらいがあるからです。
  2. 仕込塩水の量が非常に少ないのも、たまり作りの特徴です。
    濃口醤油は、麹の量よりも塩水の方が多いですが、たまり醤油は麹の量よりも塩水の方が少ない(半分~同量)です。

【使い方の特徴】

たまり使用例

濃口醤油と同じように使っても大丈夫です。
特に魚料理(煮物、照り焼き)、つけ醤油、かけ醤油、隠し味にポン酢に少し加えたり、濃口醤油に少し加えると非常に料理が美味しくなります。

うなぎのたれ、焼き鳥のたれ、佃煮、焼き餅、お煎餅などに使うと美味しさが際立ちます。