武豊町には、つい最近まで木桶を作る桶師がいました。東海地区に存在する木桶は、ほとんど、この桶師が面倒(修理)を見ていたそうです。桶師の存在もあり、現在も武豊町の蔵元は木桶を使っているところ多いです。その中でも、一番古いとされる木桶は、丸又で使われています。明治44年に作られたものは今も健在です。現在、丸又には約70本の木桶が存在します。
木桶の材質は杉の木。箍は竹(現在は鉄の箍が増えました)から作られます。木は呼吸をしてくれ桶の中の微生物が過ごしやすい環境を整えてくれます。人間の家にも言えることですが、鉄筋の家、マンションでは、結露が起きやすく黒カビが生えやすいです。カビが室内を循環し、アレルギーを引き起こすこともあります。その点、木造の家は結露も起きづらく人間が過ごしやすい環境を整えてくれます。木桶を手で触れるとよくわかります。夏も暑くなく、冬も冷たくない。とても優しい肌さわりです。
木桶には、長年桶に住み着いた菌も存在します。伝統の味を引き継ぐ重要な役割を果たしてくれます。木桶で出来上がったたまり醤油は、優しい味がします。
丸又の工場は、ほとんどが木造です。木桶の置いてある仕込蔵は、太い木材が梁として使われています。柱、梁はには蔵に住み着いた菌が付着し白くなっています。木蔵の蔵の中を浮遊する菌は、丸又の伝統の味を決める大切な要素です。
丸又の看板商品である「オーガニックたまり」「尾張のたまり」、そして「丸大豆たまり」は、麦類(小麦、大麦)を一切使用しないで、造った商品です。
麹を作る際、わずかなデンプン質(小麦、大麦)があると、作業性もよく良い麹が出来上がります。丸又では、長年の研究で麦類を使用しないで良い麹を作る製法を確立しました。
麦類を一切使用しないことで、小麦アレルギー、グルテンアレルギーの方にも安心して使用していただくことができます。工場内には、他社より購入した小麦が入った買い入れ醤油はありますが、原料としての麦類(小麦、大麦)は一切存在しません。
大豆だけで造った「たまり」は、旨味成分が多く、濃厚な味が特徴となっています。
国産(愛知県産)大豆を使用した「尾張のたまり」は、1年に1桶のみ仕込む数量限定の商品です。旨みの成分を目一杯引き出すように、仕込塩水も少なくし、窒素値(旨みの成分値)は3.0近くあります。
オーガニックに取り組み始めて30年近くになります。
当初は、オーガニックの認定団体は日本になく、外国の認定団体(OCIA)から認定を受けていました。オーガニックという言葉さえあまり知られていませんでした。つい最近もニンニク(ガーリック)と間違われるほど、オーガニックという言葉は、日本ではなかなか浸透しません。健康、安全に関心があっても、なかなか手が出せない存在なのかもしれません。環境にも配慮された有機栽培は、子供たちの未来の自然環境にも大きく影響を持ちます。この取り組みは、人類が幸せな生活を送るために必要なことだと思っています。栽培履歴が管理された有機大豆を使用し、オーガニックの規律に則った製造方法で、作った物が「オーガニックたまり」です。お客様に安心してより安全な食生活を送ってもらいたいと思っています。
丸又では、たまりをベースにした調味料を作っています。
簡単な料理でもいいので、ご家庭で作ってもらいたい。温かい食卓を囲んでもらいたい。
忙しい生活の中で、自宅で料理をするのが困難な人もいるかもしれません。料理を作る時間が1週間に1度しかない人もいるかもしれません。そんな人は、台所に醤油、みりん、砂糖、塩、酢などの調味料を置いておくのは無理があります。これ1本あれば大丈夫!という商品が「すきやきさん」「万能調味料」です。この調味料があれば、簡単に美味しい料理が出来上がります。こだわった料理を作る必要はありません。フライパンや鍋を使った料理を取り敢えず作りましょう!子供に作ってあげましょう!温かい家庭料理を応援します。